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本と時々デザインのこと

『教科書に載った小説』(後篇)「ベンチ」の想い出

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今週のお題「私の癒し」=思い出の本に浸る

 

恥ずかしかった

時は先週の金曜へと遡ります。

 

僕は戸惑っていました。

 

何に?

 

アクセスが伸びないことにです。

 

いや、普段も大したことないし、何なら普段くらいのアクセス数はいただいていたのです。

 

僕が戸惑った理由は二つ。

 

自信のある記事だった

これは先日の記事でも言いましたね。

記事の内容はいつも適当なので自身は特にありません。正確には本に自信がありました。

ここ最近読んだ本の中でも、おもしろさ、味わい深さでは頭一つ抜けていました。

更に、短編集にとって重要な「一つの話の長さ」も長すぎず短すぎずちょうど良い。

更にさらに、『教科書に載った小説』って、読書から遠ざかっている人でも食いつきやすい話題性を持っていると思っていたんです。

Twitterで拡散されずぎて戸惑う準備をしていたのに何の反響もありませんでした。

落ち込みすぎでしょうか。実際はあまり気にしていないので大丈夫です。

 

「てながあしなが」が台頭してきた

 こちらも先日の記事で紹介した「てながあしなが」です。

 

実は、最近まではブログの投稿数やアクセス数では僕が圧勝していました。

それはおそらく投稿数の違いに起因していたと思われます。彼は一つ一つの記事にかなりのエネルギーを注ぐのであまり多くの記事が書けないのです。

その点、毎日更新をしようとしてパンクした僕とは違います。

 

しかし、

 

ここ数日彼のブログに革命が起き、アクセス数が格段に伸びたのです。

その勢いは留まることを知らず、今ではアクセス数でも及ばなくなってきました。

 

これはシンプルに悔しい。

 

書評に入る

個人的な話を長々としてしまいました。

いい加減書評に入ります。

 

『教科書に載った小説』

教科書に載った小説

教科書に載った小説

 

今日は後半です。

 

「良識派」 安部公房

文庫にして2ページ分。見開き1ページに収まる超短編です。

人間からある誘いを受けたニワトリ。「良識派」に判断はいかなるものか。

短い話ですが、授業で取り扱うならば生徒に様々なことを読み取らせ、考えさせることのできる作品であるとおもいます。

個人的には、先日紹介した『カエルの楽園』百田尚樹を連想しました。

 

「父の列車」 吉村康

国語の教科書には、各学年「戦争」の話が一つは載っています。

「父の列車」は、戦争の悲惨さを伝える小説を伝える物語とは少し違います。

 

「鉄矢、一つだけ頼みがあるんやが、きいてくれるな。」

出征する前夜、父に掛けられた。母さんを頼むぞ、と。

父の言葉を小さな背中背負った少年は、小隊の移動にともない父の乗った列車が隣町の駅を通ることを知る。

 

僕は少し泣きました。

 

竹生島の老僧、水練のこと」 古今著聞集

教科書には数々の有名な古典作品が掲載されているが、どうしてこれを選んだのか。

別に面白くないとかそういうわけではなくて、単純に編者の佐藤雅彦さんがどうしてわざわざこれを選んだのか、その意図が気になる。

 

「蠅」 横光利一

横光利一の代表作の一つ。教科書でなくても、どこかで読んだことのある人も多いのではないでしょうか。

正直、どうしてこんな作品が載せられたんだろう、と思います。

 

怖いんですよ。結構。

僕は横光利一は好きですし、その時代にこの作品を書くことがどれだけ挑戦的であるか、かつ、当時の読者にとって新感覚で滑稽な作品だったか、少しは読み取れます。

ただ、中学生や高校生がこれを読んだらトラウマなるんじゃないかなと思いました。

 

せがれが危篤だから急いで馬車を出してくれ、と泣き叫ぶ老婆を何時間も適当にあしらい続ける場面は、生徒たちからどんな意見が飛び出すか気になりはしますが。

 

「ベンチ」 リヒター

教科書で読んだ作品のなかで思い出深い作品は?と聞かれたら真っ先にこれを思いだします。

僕と同じ世代の方は、覚えている方も多いのでは。

『教科書に載った小説』に「ベンチ」が載っていることをみたときの興奮は筆舌に尽くしがたい。尽くしがたいので書かない。

 

りんごをたくさん持った少女に見とれ、そのりんごが一つ落ちないものかと見ていたら、本当にころころと落ちてきた。フリードリヒとヘルガはドラマチックな出会いをする。

しかし、フリードリヒには秘密があった。彼はユダヤ人だったのである。

 

実は、話はとても中途半端なところでおわる。

「フリードリヒがいたころ」という作品の中から一部を抜粋して教科書に載せていたのである。

当時、これほどまで続きの気になる作品はなかった。

 

そして、今またその好奇心に火がついてしまった。

なんとか探し出すことはできないものか。

 
「雛」 芥川龍之介

正直、意味がよくわからなかった。

というか、芥川龍之介はいつもよくわからない。

 

教科書の定番教材といえば「羅生門」だが、あれもよくわからない。

かつては「或る阿呆の一生」が教科書に載っていたこともあるそうだがそれに至っては載せた意図もわからない。

あくまで個人的感想である。

 

まとめ

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(こういうのを気にしないためにはてなスターを消したのに…)