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本と時々デザインのこと

授業中こっそり読んだあの作品 『教科書に載った小説』(前篇)

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この画像、自分で作ったって言うと驚かれるけど、嘘じゃないです。

 

国語教科書の思い出

突然ですが、みなさんは国語の授業は好きでしたか?

僕はあまり覚えていません。

 

それよりも、

授業中にこっそり、授業では取り扱っていない小説を読むことが楽しみでした。

バレたらやたら怒られるけど、背徳感がたまらないんですよね。それに、授業中にしか読まない。そんなに読みたいなら家で読めばいいのに、と今なら思いますが当時は思いませんでした。

 

本が好きになる生徒はほっといても勝手に読むし、読まない子に無理やり授業をしたって一層本から遠ざかってしまう気がします。

本を読ませる授業が結果的に本から子供を遠ざける。本末転倒です。永遠の課題ですね。

 

『教科書に載った小説』

教科書に載った小説

教科書に載った小説

 

こんな素敵な企画があるんですね。

 

内容はタイトルの通り。

歴代の教科書に載った小説を集めた短編集です。

 

ちなみに載っている作品と著者は以下の通り。思い出の作品はありますか?

とんかつ  三浦哲郎

出口入口  永井龍男

絵本          松下竜一

ある夜      広津和郎

少年の夏  吉村昭

形             菊池寛

良識派      安部公房

父の列車  吉村康

竹生島の老僧、水練のこと  古今著聞集

蠅             横光利一

ベンチ     リヒター

雛             芥川龍之介

 今日は前半六作品を、一言ずつ紹介して行きます!

 

「とんかつ」  三浦哲郎

不思議で、少しホラーな雰囲気で始まる小説。

なにが「とんかつ」なのか。

なぜ「とんかつ」なのか。

とある宿を訪れた母子の物語。

 

「出口入口」  永井龍男

「専務の靴がない」

いやいや、自分が履いてきた靴を、そうも簡単に取り違えるだろうか。

正直に言うと、僕はオチの意味がよくわかりませんでした誰か教えてください。

 

「絵本」  松下竜一

もしこの「絵本」という話を教科書で読んでいたら、幼い頃の自分はどんなにか感動していただろうと思う。

できることなら授業では扱って欲しくない。一人で勝手に読んで感動したい。

 

「ある夜」  広津和郎

これもまた不思議な作品。

読み取り方によって、シュールにもユーモラスにも受け取れる。

非常に短い短編。

 

「少年の夏」  吉村昭

少年は妹と二人、ショッピングモールでおもちゃを買う。なぜか。お隣の家で葬式が行われているからである。

僕がこの作品で感じたことは一つ。

「なぜ少年が主人公なのか」

たぶん答えはない。みなさんも考えてみてほしい。

 

「形」  菊池寛

見た瞬間、あっ読んだことある。と思い出しました。どの教科書に載っていたのかは全くおぼえていないけど。

菊池寛、読んだことないと思っていたけど、知らない間に読んでました。半強制的に名文家と出会わせてくれるのも教科書の魅力です。

 

まとめ

みなさんにとって、思い出深い作品は載っていましたか?

自ら進んで読んだ小説もいいけど、教科書に載っていた作品ってちょっと特別な感じがします。

そして、今改めて読んで感じましたが、やっぱり教科書の作品って味わい深いですね。この表現にはどういう意図があるんだろう。なぜこの視点から書いたんだろう。そんなことを考えてしまうのは頭が硬くなってしまったからでしょうか。

 

今日は前半まで!後半は来週月曜に書きます!お楽しみに!