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本と時々デザインのこと

独学で日本史を。 できるだけ面白く、なるべく本格的に。

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民族の歴史は、学問に欠かせないものだと思う。

今週のお題「読書の秋」

 

日本史を学ぼう 独学で

それぞれ理由はあれど、日本史を詳しく勉強したい、と思ったことのある人は多いのではないでしょうか。

今日の記事は、受験で日本史を必要とする高校生と、大人になってから改めて日本史を勉強しようと思った人向けに書いています。

ちなみに、僕は国公立大学の二次試験でも日本史を使ったので、受験で言うとセンター試験8~9割、大人で言うと歴史オタク見習いくらいのレベルまで到達できるかと思います。結構ゴリゴリに勉強します。

 

高校生へ

この記事を見ているということは、「日本史 独学」等のキーワードで検索したのかと思います。

結論から言うと、日本史は独学でもできます。

そうでなくても、多くの高校では日本史の通史が終わるのは高3の1月か2月。もはや受験本番といってもいい頃にようやく終わります。

つまり、受験日本史に独学は必須。学校で終わらない分は自分で終わらせるしかありません。

 

以下に紹介するのは、教科書と参考書を利用した日本史のインプットの方法です。しっかり取り組めば独学でも十分、日本史の流れを把握できるでしょう。

もちろん、インプットだけでは足りません。問題集や過去問をガツガツ解いて、知らないこと、忘れていたことが出てきたら覚えなおす。これが重要です。

なので、以下に紹介するインプットは、独学日本史の基礎段階だと思って、地道にコツコツがんばってください。

 

大人の方へ

生涯学習」という言葉をご存じでしょうか。

生涯学習

すべての人が、それぞれに適した方法によって、生涯にわたる主体的な学習を続けていくこと。

出典:明鏡国語辞典 第二版

要するに、「人間、一生勉強」ということですね。

学生時代、とりわけ高校生の頃までは、口を開けば「受験勉強しんどい」

 

しかし、

いざ勉強から解放されてみると、何となく張り合いのない日々が訪れる。

体が勉強を欲している。

 

埃を被った教科書の内容も、近所の博識おじさんのウンチクも、興味を持って聞いてみると存外おもしろいものです。

  

ところで、大人になったあなたは、ふとこんなことを思ったことはないでしょうか。

日本史をちゃんと勉強しとけば良かったな

 

僕は努力不足の負けず嫌いなので、知らないことがあると徹底して勉強したくなるんですが、日常生活の中で、日本史に関する知らないこと、気になることに出会うことが圧倒的に多い。

地域の歴史から、観光地まで、地獄の果てまで日本史はついてきます。

また、まとめでも触れますが、歴史というのは文系の学問とは切っても切れない縁の深いもの。(あるいは理系の学問も)

そんなこんなで、何かおもむろに勉強したい。そんなときにおすすめなのが日本史です。

偉そうなこと言ってますが僕も全くのかけだし。読者のみなさんと共に勉強していきたい所存です。

  

教科書で学ぶ

『詳説日本史B』 山川出版社

 「日本史ってどう勉強したらいいですか」

日本史を受験で使う受験生のほぼ100%が学校や塾の先生に質問することです。

そして、先生方の90%がする返答が、

「教科書を読みなさい」

 

古代から現代まで、バランスよく情報がまとめられている本はないのか。あります。教科書です。

なんといってもやはり、教科書の情報は精選されています。日本史の流れを大まかに把握するため、丁度良い情報量なのは日本史の教科書であるといって相違ないでしょう。

 

そして、一番売れてる日本史の教科書が上に紹介した山川出版社のもの。教科書を手に入れるって難しそうですが、山川の教科書に関しては一般の書店で簡単に手に入れることができるので、その点でもお勧めです。

 

おすすめの勉強法

読む

基本中の基本です。しかし、コツがあります。

 

人に教えることを想定しながら読む

 

教科書を読むとき、ただ字面を追ってはいないでしょうか。そして、

あれ、何を読んでいたんだっけ?

それでは頭には残りませんね。

 

しかし、今読んでいる内容を人に教えるならどう教えようか、そう考えながら読むと内容の定着度は飛躍的に伸びます。

 

まとめる

こちらは受験生向け。

読むという行為は受け身です。教科書に書かれた内容を読んでいるだけなので。

学びを更に深めるには、自分が気になったこと、あるいは受験であれば苦手な分野を自分で選びとってまとめ直す必要があります。

 

もう少しわかりやすく言います。

歴史には、縦と横がある。

縦は時代の流れ、江戸から明治に、明治から大正に、と時の流れによる社会の変化です。

横は同時代間の比較。江戸時代、江戸(東京)と京(京都)の文化を比較したり、同じ年の政治状況と農村の状況を比較したりします。

教科書は基本的に、どちらかの視点でしか書かれていません。でも実際には縦と横の双方向で比較することができる。

どうすれば比較ができるのか。自分でまとめればいいのです。

僕は受験生の頃、仏教が総じて苦手だったので、教科書から仏教に関する箇所だけをピックアップしてノートにまとめるなど、横の情報を縦に並べ替えていました。

 

参考書で学ぶ(オススメ!)

日本史B 講義の実況中継』 石川晶康

石川晶康 日本史B講義の実況中継(1)原始~古代 (実況中継シリーズ)

石川晶康 日本史B講義の実況中継(1)原始~古代 (実況中継シリーズ)

 

とはいえ、無味乾燥の教科書では読んでられない。なるべく面白く学ぶことは出来ないか、そんな貴方には、参考書はいかがでしょう。

日本史の参考書で有名なのは、河合塾の大御所・石川晶康先生の『実況中継』シリーズです。

 

今回の記事を書いたのは他でもない石川晶康先生にお会いする機会があったからです。

そしてなんと、僕の私物の『実況中継』にサインまでいただいてしまいました!!

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とても気さくな方で、お会いできて本当に幸せでした。今後の執筆の予定もお聞きできましたがここでは言えません。楽しみです。

 

内容

取り扱っている内容は、基本的に教科書の内容に沿っているので、例のごとく充実かつ無駄のないバランスです。

ただ、語り口調が講義形式のため非常に読みやすい。また、長年予備校で教鞭をとっているんです。歴史に関連した小噺が面白いのなんの。読み込むだけで自然と内容が定着します。

 

サブテキスト

この参考書には、サブテキストがついています。

単なる付録と侮ることなかれ。

本書で学んだ内容を簡単に、見やすくまとめることができる。受験にしても大人になってからの勉強にしても、日本史のエッセンスをほしいままにできるのです。

 

音声CD

これだけでは終わりません。なんとこの『実況中継』CDまでついている。

サブテキストの年表とセットで使います。石川先生の声をそのまま録音した、言葉通り講義の実況中継を受けることができるのです。

これを聞くだけでも、歴史の大まかな流れは手にすることができます。

 

日本史を独学で、しっかりと、面白く学ぶために『実況中継』シリーズは本当におすすめです。

この記事を見ている受験生は、日本史を独学で進めることに不安もあるかと思いますが、コツコツと積み上げるしかありませんので、胸を張って地道にがんばってください。

 

まとめ 日本史は学問の基礎

大学で勉強をしていて改めて痛感しましたが、日本史というのは学問の基礎だと思います。

言語にしても、なぜこんな表現をするようになったのか、それを知るためには言語が経験してきた時を遡る必要がある。更には、言語がどんな文化・風俗の中で培われてきたものなのかを知ることも、学問を深める上で大いに重要です。

 

日本史を学ぼうとする受験生、もしくは大人の方。日本史を学ぶことで、更なる世界の広がりを楽しみましょう。